今週のベル・エポック こうした鞭打ちの嗜好は、1900年前後の倒錯した貴族階級において、さらに広がって いった。この 時代は、女中を主人が思うようにできると考えていた時代であって、当時の写真からは貴族階級の閉塞した奇妙な娯楽性を窺い見ることができる。それらの写真 では、優しさに欠ける婦人が、大抵は上品ぶった衣裳を着て、時には帽子をかぶり、むき出しにされた若いメイドの尻を鞭打っている。 大類信(編)『サドマゾヒズム覚醒する愛』河出文庫 河出文庫から出ているグラフィカ・エロティカの確か3巻目だったと思います。昔々のそういう絵を集めたコレクションです。時代柄メイドさんが登場してる ものもいくつか見出せます。基本的に画像ばっかりですが、中に数ページの解説があって、そこから引用しました。なかなか示唆されるところの多い解説でし た。それによると、このサドマゾな写真の流行は第1次大戦を越えて20年代にいよいよ盛んになり、「革とラバーの特殊な装身具」つまりボンテージ装束、所 謂女王様スタイルの発明(?)は1935年なんだそうです。ちなみにそのころ日本では、責め絵師伊藤晴雨が縄で縛るほうの世界で大きな成果をあげておりま した。そういう時代だったんでしょうか。 (2001.11.16.) |