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今週の一冊 第4


今週のお洒落

 旅行の一般化やオープンエア運動による外出が日常的になると、靴やストッキングと同様 に、ペチコートも急速に注目を集めることになった。
「ドレスの裾を上げるとき、下着は視線に晒される。ペチコートはどんなに豪奢に作っても充分ではない」という次第である。1877年にはこんな記事も登場 している。
 シュミーズ、ドロワーズ、アンダースカートはますますたくさ んのレースで縁取られ、縫い込まれるようになった。今や我々の召使いでさえ、少なくとも二列の縫い込みと裾にレースがあしらってあるものでなければ軽蔑し ている。

戸矢理衣奈『下着の誕生 ヴィクトリア朝の社会史』 講談社選書メチエ

 女性の衣服を切り口にして、当時の女性雑誌を主な情報源に、ヴィクトリア朝期の社会に迫った面白い本です。衣服自体の歴史ももちろん非常に面白いのです が、衣服の変遷と関係しあっている様々な事象、例えば鉄道や自転車、電燈やガスストーブ、百貨店にブロマイドなど、様々なテクノロジーが登場し、それが人 々の美意識をどのように変えていくか、変わってゆく美意識がものの変化にどう作用してゆくか、万物の繋がりに思いを巡らす近代史の醍醐味が味わえます。身 体(しんたい)論というのはやはり昨今旬なんでしょうか。などとかっこつけなくても、メイド趣味な人なら楽しめることは請け合いです。あとやっぱこういう 本って、作者がそのジャンルにどれだけ愛があるかで面白さが決まるんでしょうかねえ。

(2001.11.30.)

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