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今週の一冊 第23


今週の森鴎外

「・・・婦人関係には細心なほど気を配り、自分が独身だものだから、女中も必ず二人は置 いた。やむを えず一人しかいない時は、夜は近所に頼んで寝泊まりにやるという具合でした。三樹亭という料亭があって、ここの娘が先生は気に入ってよく出かけていたが、 決して一人だけを呼ぶということはない、いつもその妹娘と二人を呼んでいました。時の師団長の井上さんも独身でしたが、この方は本能の赴くままの行動で、 先生といい対照でしたよ。・・・」

松本清張「ある『小倉日記』伝」(『ある 「小倉日記」伝』新潮文庫)

 松本清張の芥川賞受賞作品です。小倉の第12師団に赴任していた時期(1899〜1902)の森鴎外の日記が行方不明と知った体の不自由な青年が、その 時期の鴎外の動静を調べることに生きがいを見出す、という物語です。それはともかく、鴎外は女性関係に気をつけていたというエピソードですが、以前筆者が 勝手に提唱した鴎外女中萌え説(藁)に基づけば、実は人数が多い方が嬉しかったという理由で二人雇ってたのかもしれません(そんなわけないっ て)。なお本 能の赴くままの井上さんとは、長州出身の井上光(1851〜1908)で、最終的には大将まで昇進し、日露戦争に第12師団長として従軍した功績で男爵の 爵位を授けられています。鴎外は爵位を貰いたかったという説もあるようです。でも結局貰えなかったので、その辺の思いが「余ハ石見人森林太郎トシテ死セン ト欲ス」という遺書に繋がってるのだとか。

(2002.4.7.)

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