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今週の一冊 第26


今週のカモフラージュ

「ドイツ軍の制服を着ているというのに?」ジャネットが口を挟んだ。「逃げつづけられっ こないわ、五分と」
「去年、ロンドンの一ジャーナリストがオックスフォード・ストリートからピカデリー・サーカスまで歩いた、ヒトラー親衛隊の制服を着てだ」ジェーゴはすご い剣幕で言った。「だが、誰も知らん顔だった。近頃はちまたに制服が溢れていて、みながユニホームにすっかり麻痺しているというのが現実なんだ」

ジャック・ヒギンズ(佐和誠訳)『脱出航路』ハヤカ ワ文庫

 第二次世界大戦の大西洋を舞台にした海洋冒険小説の傑作です。作者のヒギンズは映画にもなった『鷲は舞い降りた』の作者としての方が有名でしょう。さ て、引 用部はその一節、イギリス軍の捕虜になったドイツ海軍Uボート艦長が、護送の隙を見て逃げ出したときのアメリカ軍人ジェーゴの台詞です。制服がそこら中に 氾濫する戦争中、人々は制服に馴れきってよく見ようともしなくなってしまい、実際このUボート艦長も、列車のボーイに自分はオランダ海軍軍人だと一旦は誤 魔化すことに成功してしまいます。現在ではミリタリールックがファッションになったりしてますが、それもまあ平和なればこそなんでしょうね。
 さて、ここ三回、趣向を変えて「制服」ネタを集めてみましたが、どうも男が着るばかりで華やかさに乏しい(笑)という読者のご要望もあろうかと思います ので、次回からまたメイド路線に戻す予定です。花右京メイド隊の5巻も出たしね。

(2002.4.26.)

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