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今週の一冊 第66


今週の映画鑑賞

 映画の中でフェティッシュな情景をみせてくれて衝撃的だったのは、ルイス・ブニュエル の (中略)『小間使いの日記』(一九六三年)である。ここでは、女性の革靴にたいしてのフェティシストの老人が登場する。彼が、小間使い(ジャンヌ・モ ロー)に靴をはかせて歩かせてみたりするが、ある日その靴との「交情中」に頓死してしまう。これはみていて異様だが、フェティシストの老人の死に方として は、好きな女の腹の上で死ぬのとおなじくらい幸せな死に方である。

石井達朗『男装論』青弓社

 去年『8人の女たち』というフランス映画を見に行った話を書きましたが、その映画に出てきたメイドさんの元ネタがそもそもこの四十年も前の映画にあるん だそうです。残念ながら筆者は未見ですが、どうも映画業界におけるメイドさん像に多大なる影響を残した作品であることは確かなようです。
 まあそれはともかくとして、引用元の本来の内容は、題の如く女性の「男装」について、ジョルジュ・サンドあたりから始まって『エイリアン』のシガニー・ ウィーバーなどに至るまで、さまざまな角度から語られているとても面白い本でした。
 ところで、「男装」ってかっこいいイメージがありますが、「女装」だと(やおい業界など一部を除き)変態というイメージが付き纏うのは避け難いものがあ ります。なんでかなあと思うのですが、依然紹介した『誰がズボンをはくべきか』あたりを手掛かりに考えるに、そもそも女性の衣裳(スカート)に比べ男性の 衣裳(ズボン)の方が「高等」という男尊女卑的イメージがあったためではないかと思います。そのため、女性が男装することは男から「生意気」という反発を 受けますが、その行為は(低位な)女性の衣裳から(高位な)男性の衣裳への「上昇」であるため、よいイメージも帯びることができるのではないかと。一方の 女装は、本来男という(高位な)衣裳から女の(低位な)衣裳に転落することになるので、ネガティヴなイメージをかぶせられるのではないかと思うのでありま す。

(2003.5.25.)

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