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今週の一冊 第69


今週のシャーリー

 子どもの「家事労働」は、子どもの搾取がさかんに行われているおもな産業分野のひとつ であり、その多くが単なる奴隷労働にすぎないことが明らかになっている。(中略)
 八十年代に、チュニスの名の知れた医者とその妻が、暴力事件で訴えられた。二人は、一〇歳の家政婦が子守りをしていた赤ん坊にうっかり火傷を負わせた罰 として、少女に熱湯をあびせ、それから五日間、地下室に閉じ込めた。この事件はスキャンダルとなったが、医者が非難されたのは虐待を加えたからであって、 一〇歳の少女を住み込みの女中として雇ったせいではなかった。というのも、そのようなことはこの国では普通に行われているからである。
 最近ではスリランカで、一二歳の家政婦に腹を立てた雇い主が、ブリキ缶一杯の石油を頭からあびせて火をつけた。少女は生きたまま焼かれたのだった。パキ スタンの新聞「ダスト・エ・シャフクアト」が報じるところでは、一二歳の女中に対し七人の男が集団暴行をはたらいたあげく、少女を死に至らしめた。男たち はいずれも地元の有力な地主だったため、だれひとり罪に問われることはなかった。

マルタン・モネスティエ(吉田春美・花輪照子訳) 『【図説】児童虐待全書』原書房

 ご存知の方も多いと思いますが、原書房のあのシリーズの一冊です。いつもながらモネスティエ流の膨大な事例の積み重ねから、子どもを巡る現在の社会の様 々な問題が描き出されてくるのであります。その中で、子どもを家事労働に使うというのも問題の一つの類型として描かれていまして、引用部はその章からのも のです。子どもの兵士や売春と比べると扱いは軽いのですが、一つの問題は容易に他の問題と連関するのでありまして、幼い女の子の家事使用人が性的に虐待さ れる例も多く、それは「性的な奉仕も仕事の一部であると、雇い主に広く信じられているから」だそうです。・・・チュニジアだのパキスタンだのに移住しよう とか不届きな考えを起す人は、まさかいないですよね? 一歩間違うとこういう本、書いた人の意図とは違う意図で読まれてしまうからなあ、人のこと言えない けど。

(2003.6.14.)

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